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駒 義和; 小山 智造; 船坂 英之
JNC TN8400 99-021, 34 Pages, 1999/03
先進的核燃料リサイクルに係わる分離技術研究開発の一環として、三価のアクチニドとランタニドを分離する方法であるSETFICS法を開発している。これは、CMPO-TBP混合溶媒(TRUEX溶媒)とDTPA-塩析剤溶液を用いる溶媒抽出法である。本検討では、上記分離系での三価金属イオン(アクチニド及びランタニド)の挙動を理論的に説明することを目的とし、以下のような検討を行った。DTPAと金属の錯生成反応やCMPOによる金属の抽出反応に着目した。(1)DTPA溶液中での三価金属イオンの溶存状態水溶液中でのDTPAと金属Mの存在状態について、MDTPA2-及びMHDTPA-は錯体が形成されるモデルを検討した。DTPA-金属錯体の生成は高酸濃度で抑制されるが、pH1程度から顕著となる。pHが12程度の領域では、MDTPA2-にプロトンが付加してMHDTPA-が生成する反応が寄与する。このような錯体の生成は酸性溶液中では極めて低濃度で存在するDTPA5-イオンの濃度に大きく依存する。DTPA-金属錯体の安定度が非常に大きいため、DTPA5-イオン濃度が非常に小さくとも比較的高い酸濃度から錯形成は進行しうる。(2)CMPO溶媒/DTPA-塩析剤溶液中での三価金属イオンの分配比・上記の錯体の形成に加え、CMPOによる金属の抽出反応を考慮した。pH1以下の高酸濃度では、DTPA5-濃度が低いために金属はほとんど抽出される。このときの分配比の大きさはCMPOの抽出平衡定数に依存する。pHが上昇するに伴って分配比は減少するが、pHに対する分配比の傾きは実験値と一致した。(3)CMPO溶媒/DTPA-塩析剤溶液中での三価金属イオンの分離係数金属間の分離係数については、DTPAの錯形成とCMPOの分配比を用いるより簡単な表現も検討した。このモデルは、pH2以上においてCe以上のランタニド及びアクチニド元素について成り立ち、実験値と良く一致した。